露出小説




   『愛ちゃん先生とペット投票』

                              作;ベンジー

「なんでヒト≠飼ってはいけないの?」

 麻衣ちゃんの一言で、〇〇小学校3年2組の児童たちは大騒ぎでした。
 女子大の教職課程を修了して、この春、教壇に立ったばかりの私には、答えが見つかりません。それでなくても、童顔で身長144センチの私は子供たちに舐められてます。クラスで一番大きな子とは大差ないんです。
 スリムな体形でも、出るところは出ているのに。
 そんなわけで、苗字で呼んでくれる児童もいません。みんなからは『愛ちゃん先生』と呼ばれているくらいです。
 どうしようかと思っている内に、話はどんどん盛り上がっていきました。
 この学校では、生き物を飼うことを薦めています。教室内にも水槽があり、メダカやハヤなどの川の生き物が飼われています。
 校庭の隅にはウサギ小屋もあって、児童たちが交代で世話をしています。
 次は何を飼おうか、飼いたいか、と言う話になって、イヌ、ネコから始まり、ニワトリを飼えば卵が食べられるだの、キツネを飼って襟巻にするだの、自由奔放な意見が飛び交う中でのことでした。
「みんなで可愛いがっていけるものがいいよねぇ」
 私のちょっとした発言で、流れが変ってしまいました。
「一番可愛いのは仔犬だって」
「ネコだって可愛いもの」
「学校にはウサギがいるじゃん」
「家にはハムスターがいるよ」
「やっぱ一番はカメだって」
 いろいろな動物の名前が出ていました。そんな中での麻衣の発言です。
「一番可愛いのは麻衣だって、パパが言ってたよ」
 私の父も言っていました。どこの父親も娘にはメロメロのようです。ツインテールをピンクのリボンで結んだ麻衣ちゃんは、ホントに可愛いです。
 お持ち帰りしたいくらい。
 なんて、私情を挟んでいる場合ではありません。先日の職員会議で校長先生からお話がありました。希望退職を募ると言うものです。少子化が叫ばれる中、経営の合理化と人員整理が急務とのことでした。
「何を飼いたいかって話だろ。なんでお前が出て来るんだよ」
 隣の男子が絡んで来ました。
「だって愛ちゃん先生が、可愛いのがいいって」
 確かに言いました。言いましたけどね……
「飼うのは動物に決まってるじゃん」
「ヒト≠ペットにしたらぎゃくたい≠チて言うんだよ」
「イジメ≠カゃないの」
「違うよ。へんたい≠チて言うんだ」
「お前はペットになりたいのかよ」
「麻衣ちゃんってへんたい≠セったの」
 朝のホームルームがおかしな方向に進んでいます。
 このことがきっかけで、ホントにイジメなんてことになったら、私の教師生活はどうなってしまうのでしょうか。
「マイはへんたい≠カゃないもん」
「だって、ペットになりたいんだろ」
「マイは可愛いだけだもん。イジメ≠ナもぎゃくたい≠ナもないもん」
 麻衣ちゃんは頬を膨らませています。
 ところで麻衣ちゃん、へんたい≠ニかぎゃくたい≠フ意味、わかってます?
「麻衣ちゃんが可愛いのはわかったから」
 クラスの女子も心配しています。
「可愛いからって、ヒト≠飼えるかよ。バカじゃねえのか」
 辛辣な男子の言葉。そこまで言わなくても。
「飼う≠チて育てる≠チてことでしょ。マイは可愛いから、パパとママに育てられているんだよ。可愛いんだったらヒト≠飼ったっていいじゃない」
 この年代の児童たちは、マセているようで、言葉の微妙なニュアンスを間違えている例はよくあること……だと、指導書に書いてありました。
「だったら、みんなで可愛がってやるって言ったら、お前が飼われるのかよ」
「いいよ。飼われても」
 こういうのを、まさに売り言葉に買い言葉というのでしょう。
 えっ、麻衣ちゃんが飼われる……?
 マズイです。このままでは麻衣ちゃんがペットにされてしまいます。
 思わずクラスメイトに飼われている姿を想像してしまいました。麻衣ちゃんを飼うくらいならいっそのこと私が……
 って、この非常時に私は何を考えているのでしょうか。
「愛ちゃん先生。と言うわけで、次に飼うのは麻衣ちゃんで良いですか」
 良いわけないでしょ。
 そんなことになったら、私が人員整理の対象になってしまいます。
「ちょっと、あんたねぇ」
 怒り出している女子もいます。
 ここはやはり、愛ちゃん先生の威厳を見せるところです。
「ねぇ、麻衣ちゃん。ヒト≠ェヒト≠ノ飼われるのって、ホントにできると思ってる?」
 言っていてドキドキしちゃいました。私って、職場ですごいこと言ってるなぁって。
「思ってます」
 麻衣ちゃんも子供なりの意地があるのでしょう。
「先生もね、麻衣ちゃんだったら、すっごく可愛いペットになれると思うわ。みんなも可愛がってくれるでしょうね」
「はい」
「でも、ホントになれるの。ペットに」
「なれます」
 私は何を言っているのでしょうか。
 正直、答えが見つからないけど、何か言わなければならない状況になってしまいましたので、時間稼ぎをしているだけでした。
「麻衣ちゃんのお家ではペットを飼っているのかしら」
「はい。トイプードルを飼ってます」
「可愛いのでしょうね。麻衣ちゃんがお世話しているの」
「はい。抱っこしたり、エサをあげたり、お散歩に連れていったり」
「エライわね。他には?」
「ウンチ拾ってあげたり、お風呂に入れてあげたりする時もあるわ」
「ペットを飼うって大変でしょ」
「うん、でも可愛いから何でもしてあげるの」
 こんな話では拉致が開かないと思った時でした。一人の男子児童が言いました。
「愛ちゃん先生は、次のペットを僕たちで決めていいと言っていましたよね」
「ええ、そうね」
 この子ったら、本気で麻衣ちゃんを飼うつもりなのかしら。
 ちょっと怖くなっていると、今度は女子が立ち上がりました。
「良いんじゃないですか、投票で決めたら。麻衣ちゃんも含めて、何を飼うか」
 そこまで言うと、身体の向きを先の発言をした男子に向けて続けました。
「女子は全員、反対すると思いますけど」
 そ、そうよね。女子が賛成するわけがないわ。
「わかりました。それじゃあ、紙を配ります。麻衣ちゃんがいいと思う人は麻衣ちゃんの名前を。他のペットが良いと思う人はその名前を書いて投票してください」
 最後は投票することになっていましたので、投票用紙は用意してありました。
 これで良かったのでしょうか。
 女子は反対すると言っていたけど、麻衣ちゃん以外の票が割れたら、多数決で次のペットが麻衣ちゃんに決定してしまうのではないでしょうか。
 そうなった場合はどうしましょう。
 麻衣ちゃんをペットにしました、なんて職員室には報告できないし、ご父兄にだって説明できないし、教育委員会に呼び出されたりしたら……
 やっぱり、そんなのムリよ。
 麻衣ちゃんをペットにはできない、そう結論付けた私は一策を講じました。
「みんな、投票する前に聞いてね」
 児童たちは、今にも投票用紙に向かって鉛筆を傾けていました。
「今までにヒト≠ペットにしたことはないけど、大体はさっき麻衣ちゃんが、麻衣ちゃんの家のトイプードルにしていたことをすることになると思うの」
 児童たちは、近くのクラスメイトと顔を見合わせ、納得しているようでした。
 ここまでは。
「麻衣ちゃんのトイプードルは、なんて名前なの」
「チョコです」
 急に振られて、戸惑い気味の麻衣ちゃんでした。
「良いお名前ね。チョコちゃんはお洋服を着ているのかしら」
「着てませんけど……」
「そうよね。ペットは普通、お洋服を着られないの」
「えっ!?」
 その声は、麻衣ちゃん一人のモノではありませんでした。
 そこまでは考えていなかったのでしょう。ペースを握るチャンスです。ここで畳みかけるしかありません。
「愛ちゃん先生。パンツもですか」
 下を向いてしまった麻衣ちゃんに替わって、別の女子が質問しました。
 普段から出しゃばりで生意気な子だと思っていましたが、これはグッジョブ。是非とも聞いておいて欲しいことでした。
「そうよ。どこの家でも、ワンちゃんにパンツを穿かせてはいないでしょ」

(下着一枚身に付けさせて貰えないなんて)

 小学生と言っても、丸裸にされるのは辛いだろう、そう思ったのですが、
「マイは平気だもん」
 麻衣ちゃんは、まだ意地を張るつもりのようです。
「麻衣ちゃんくらい可愛い女の子がハダカでウサギ小屋に入れられたら、上級生や先生方も見に来るんじゃないかしら。それでも恥ずかしくないの?」
「平気だよ」
 明らかに声が小さくなっています。
「お散歩に行く時もハダカのままよ。首輪はしてね。学校では放し飼いはできないから、いつもリードで曳いて貰うの。四つん這いは辛いだろうけど、ゆっくり歩くから付いて来てね」
 ここまで言って良かったのでしょうか。
 でも、どうせやるならここまでやって欲しいと思ったのも確かです。

(ハダカで、四つん這いで、お散歩させられるなんて)

「愛ちゃん先生、お散歩は廊下だけで良いですよね」
 さっきの出しゃばり女子ですが、さすがにビビって来たようです。
「犬のお散歩は必要な運動なの。お日様の下に出ないと意味がないわ。そうね。校門を出て、裏山まで行って貰おうかしら」
「裏山ですか」
 学校の敷地から出てしまうのは、さすがに問題があります。でも、これくらいは言っておいた方が良いでしょう。

(ホントに連れて行かれたらどうしよう)

 麻衣ちゃんが肩を丸めてします。後少しです。
「チョコちゃんにも、お家はあるのよね」
「は、はい。ケージがあります」
 麻衣ちゃんは、まだ顔を上げて来ました。
「そうね。でも、学校にはケージがないから、麻衣ちゃんがペットになったらウサギ小屋に入って貰うことになるわ。外からは自由に出入りできるけど、中からでは閂が外せないし、夜は南京錠を掛けるから、麻衣ちゃん、お家に帰れないわね」

(わあー、オシッコちびりそう)

 ハダカで学校のウサギ小屋に入れられて、本物のウサギたちと一緒に寝起きするなんて、こんなに惨めなことはありません。
 さっきから私は、なんて想像をしているのでしょう。
 麻衣ちゃんが、と言いながら、妄想の中では全部私自身が実行しているのです。知らない内に、下着の中はひどい有様になっていました。
 麻衣ちゃんも、完全に黙り込んでしまいました。
 小学生相手に、ここまで言って良かったのかと反省しながらも、一方で私の中のSな部分が囁いていました。
 もっともっとイジメてあげなくていいの、と。
 ここまで来て、まだ「ごめんなさい」が言えない麻衣ちゃん。下を向き、肩を震わせている姿にはそそるものがあります。
「他に質問はないかしら」
 児童たちを煽って、まだまだイジメさせようと言うの?
「愛ちゃん先生、お風呂はどうするんですか?」
 男子のノーカンな発言に、女子が一斉に非難の目を向けました。
「そうねぇ。学校にお風呂はないから、昇降口の外の水道にホースを繋いで、水を掛けてあげればいいわ」
 女子の視線に構うことなく、男子は続けました。
「だったら、おトイレは?」
良い質問です。
「ウサギたちと一緒で、寝藁に垂れ流しでしょうね」
 自分で言っていて、頬が熱くなりそうです。児童に気づかれないと良いのですが。
 別の男子が手を挙げました。
「エサだって要りますよねぇ」
「エサは給食の残りで良いわ。みんなで少しずつ分けてあげてね」
 続けて、今度は麻衣ちゃんに、
「でも、手を使ってはダメよ。チョコちゃんのように、お口で食べるの」
 
(残飯を犬食いさせられるのね)

 麻衣ちゃんを責めているのか、自分を責めているのか、わからなくなっていました。やっぱり私ってMなんだと思います。
「そんなのひどい……」
 囁く声があちこちで聞こえました。女子だけではありません。男子にも広がっています。それはやがてノーカン男子にも伝わったようで……
 この辺が潮時でしょう。
「さあ、みんながペットにしたい名前を書いて頂戴」
 これでもう麻衣ちゃんの名前を書く子はいないでしょう。クラスメイトを丸裸にしてウサギ小屋で飼うなんて現実的ではありません。
 考えても見てください。今まで私が言って来たことが実行されたら、麻衣ちゃんはこの場で全裸にされ、家畜同然に扱われるのです。ウサギの糞尿が混じった藁の上に丸裸でいなければならないのです。
 妄想の奥底に吸い込まれそうでした。
「みんなで飼うんだら、可愛い動物を書いてね。そうそう。麻衣ちゃんでもいいわよ」
 言いながら、麻衣ちゃんに目を遣ると、
「愛ちゃん先生、マイは……」
 さすがにこれ以上は拙そうでした。
 私もギリギリで教師に戻ることができました。
「大丈夫よ、麻衣ちゃん。もし投票で麻衣ちゃんが選ばれたら、愛ちゃん先生が身代りになるから」
「ええええーー」
 クラスメイト全員の口が同じ音を出していました。
「はい。質問は終わり。後は投票するだけよ」
 児童相手の言葉遊びはもう終わり。教壇の上で勤務時間中、思わぬ愉悦に浸ることができたと満足する私は、教師失格なのかもしれません。
 そう思っていると、教室の後ろのドアから拍手と共に入って来る人物が。
「校長先生!」
 私は腰が抜けそうになりました。今の様子をずっと見て、いや、廊下で聞いていたのでしょうか。
 それにしても、拍手って……
「たいしたものです。この春、教壇に立ったばかりとは思えない。見事な授業でした」
 これって誉められています?
「わ、私は何も」
「ご謙遜を。なんでヒト≠飼ってはいけないの、と言う児童の問いかけに、ただ一方的に答えるのではなく、自分たちで考えさせ、自分たちで結論が出せるように導く。ベテランの教師でもなかなかできることではありません」
「は、はぁ」(そうだったの?)
 言いながら、校長先生は児童たちの机の間を抜け、教団に上がって来ました。
「児童のフォローも怠らない。最後は先生が身代わりですか。実にたいしたものです」
 校長先生は、どこまで本気で言っているのでしょうか。
 何も知らない児童を相手に淫らな妄想を膨らませていた私を、そんなに褒めて良いのでしょうか。
「ここまでは完ぺきでした。ただ一つ教えて頂きたいことがあります」
「私のような新米教師が、校長先生にお教えすることなんてございません」
 冷や汗が留まるところを知りませんでした。
 校長先生は三年二組の児童に向い、
「皆さんは良い先生を持ちました。校長先生も嬉しいです。ホームルームに割り込んで申し訳ないが、少しだけ愛ちゃん先生とお話しさせてください」
 児童たちの投票用紙を書く手が止まっていました。
 何を話すつもりなのかしら。
「それでは改めて。投票の結果、麻衣ちゃんが選ばれたら愛ちゃん先生が身代わりになる。それで間違いないですか?」
 校長先生も、私を『愛ちゃん先生』と呼ぶのですね。
 この状況で、児童たちが麻衣ちゃんの名前を書くはずがない、そうした前提に立っての身代わりでした。
「はい、そのつもりです」
 児童の前で宣言したのです。そうするしかない、のではなく、そう答えるしかない状況でした。校長先生も一部始終を見聞きしていたのならご存知の筈です。
 もし仮に私がペットになると言い出したところで、学校側が大学を出たばかりの女教師をハダカにしてウサギ小屋に入れるなどあり得ません。校長先生と雖も、犯罪になってしまいます。
「間違いないですか?」
 校長先生の言葉に意味ありげなものを感じたのは気のせいでしょうか。
「はい。間違いございません」
 ふと思いました。ついさっき、「マイは平気だもん」と言った時の麻衣ちゃんも、今の私と同じような心境だったのではないでしょうか。
「わかりました。では、後のことは任せておいてください。弁護士には連絡しておきます。専門家の承認は、校医で良いでしょう」
「は、はい……」
 私には何のことだかわかりませんでした。
「愛ちゃん先生のような方には、できるだけ長く続けて頂きたいものです。どれくらいお続けになるお積りですか」
 いきなり何なのでしょう。教師の仕事を腰掛けにする積りはなかったのですが。
「はい。校長先生にそう仰って頂けるなら、一生続けて参りたいと思います」
「良かった。では、契約書にはその旨記載させて頂きます」
 雇用契約書なら、この春に済ませた筈です。
「すみません。校長先生。話が見えないのですが」
 校長先生は一歩下がって姿勢を正し、
「これは失礼。少し先走りました」と頭を下げた上で「投票の結果、愛ちゃん先生がペットとして飼われることになったとしても、今のままでは実行できません。それはご存じと思います」
 当たり前のことです。妄想だから良いのであって、実行されたら堪ったものではありません。一生、ウサギ小屋で暮らすなんて。
「はい、勿論です」
「ですので契約自由化法に則った契約書を作成させて頂きます。児童教育の一環として愛ちゃん先生がそこまでの覚悟をお持ちでいらっしゃるなら大丈夫。合法的にペットになれます」
 思い出しました。
 契約自由化法。正式には《契約の自由を促進するための法律》。現行法では非合法とされる行為でも、同法に則り、正式な手続きを踏んだ契約書を締結すれば、その契約の範囲において合法とされる法律です。
 法学概論の講義で習いはしましたが、自分には関係ないものと思っていました。
 それをここで適用する、と言うことは……
(えええええええええええええええーー)
 頭の中で鳴り続けました。
 適用されてしまえば、新任の女教師をハダカにしてウサギ小屋に入れても犯罪になりません。私は合法的にペットにされてしまいます。
「もしかして、さっきの話って……」
「一生お続けになるのでしょ。愛ちゃん先生なら、そう言ってくれると思っていました」
「どういう意味ですか?」
 校長先生は、知っていたのかもしれません。
「心配しなくても、この子たちはきっと愛ちゃん先生の希望を叶えてくれますよ」
 私の希望って?
 いずれにしても、この子たちが麻衣ちゃんをペットにしたいと投票したら、私が身代わりになるしかありません。
「いつからですか?」
自分の口から出た言葉に驚かされました。
「投票結果が出たら、すぐにでも良いですよ。契約書は追認でも構いませんので」
 校長先生の返答を聞いて、私の右手は襟元を押さえていました。

 静まり返った教室にヒソヒソ話が聞こえてきました。
「愛ちゃん先生もハダカになるんだよね」
「パンツも穿いちゃダメなんでしょ」
「首輪を着けて、一生、ウサギ小屋で寝起きするのかぁ」
「ハダカで寝藁に寝るなんて、チクチクしないかしら」
「オシッコもウンチも垂れ流しって言ってた」
「それより、俺たちが愛ちゃん先生をお散歩させるんだろ」
「裏山まで四つん這いで、首輪をリードで曳かれてお散歩だって」
「ホントにするのかな」
「するでしょ。全部、愛ちゃん先生が言ったことだもの」
 女子の声も混ざっています。
 投票用紙に希望するペットの名前を書き込む児童たち。全員の視線が私を意識しているように思えるのは気のせいでしょうか。
 そう言えば、麻衣ちゃんって校長先生のお孫さんだったような……
(おわり)



 今月号はいかがでしたでしょうか。
 こちらにアンケートを設けさせて頂きました。ご回答、よろしくお願いします。

期待通りだった
期待していたほどではなかった
イマイチだが次回に期待する
もう読まない

その他 ご意見ご感想が頂ければ幸いです。